アロマの種類がわかる精油辞典,  アロマオイル使い方

ペパーミントの効能と使い方|副作用も解説【精油辞典】

(この記事は2021年8月18日に更新しています。)

こんにちは。坂上ひろみです。
今回は夏にひんやり冷感を楽しめるペパーミント精油の副作用と効能についてお伝えしたいと思います。アロマオイルの中でもわりと特徴的な香りのペパーミントですが、夏こそが出番!使い方や魅力に迫りたいと思います。

そしてアロマを使用する上で大切な副作用、危険性についてもお伝えします。アロマは精油作用があるため、その分気を付けなければならないことがあります。危険性や注意点を知って、安全にアロマを楽しみましょう。

ペパーミント精油への疑問・要望

  • ぺパーミントってどんな植物?
  • ペパーミントの効能は?
  • どんな副作用があるの?
  • アロマって注意するべき点はあるの?
  • 原液で塗れる・飲める商品は大丈夫?
  • ペパーミントの使い方は?

こんな疑問と要望があるのではないでしょうか。私もぺパーミントはよく耳にするけど実際どう作用するのか、そして危険性についても全く知りませんでした。そこで今の私だからお伝えできる、プロからの知識をお伝えします。

プロが語りたがらない、でもプロなら懸念している業界裏事情も交えて説明します。正直、この内容をはっきりと公の場で話しているプロは少ないです。でもアロマを伝えるプロなら、危険性から皆さんを守る義務があると考えています。そのためあえて強くお伝えします。他では知れない情報、ましてやネットでは知りえない情報ですのでよく読んでいただければと思います。

読み終わる頃にはペパーミントの知識とアロマへの知識も上がるので、この夏を楽しみながら、暑さも打ち消し乗り切りましょう!

アロマオイルのペパーミント基礎プロフィール

原料植物名:ペパーミント
ノート:トップノート
科名:シソ科(多年草)
学名:Mentha piperita
英名:Peppermint
和名:セイヨウハッカ
主産地:アメリカ、インド、フランス、オーストラリア、モロッコ
精油抽出法:水蒸気蒸留法
抽出部位:葉
成分:l‐メントール(主成分であり特徴成分)メントン、イソメントン、1.8シネオール

ペパーミントの歴史

古代ローマ時代からミントでテーブルを拭いたり、歯磨きやお風呂へ入れるなどして使用されていたことがわかっています。
何千年も前から薬草として栽培され、浸出液を消化器系の不調へも使用してきた歴史があります。

ペパーミント精油の特徴を解説

  • ミントは様々な種類があるが精油に使用されるのはペパーミント、スペアミント、ハッカの三種類。
  • 清涼感がありすっきりしているが甘みもある香り
  • ハーブティーやデザート、料理にも多く使用されているため馴染み深いハーブ
  • 眠気覚ましに効果があり!即効性がある
  • ペパーミント=ウォーターミント×スペアミントの交配種
  • 冷却と加温の両方の作用をもつ拮抗作用あり(肌につけると冷却され身体は温めようと加温するため)
  • ヒステリーにも落ち着けていい
  • 血管収縮作用があるため鼻づまりにいい(ただし一時的に腫れがひくのみ)
  • かゆみにいい(必ず希釈すること。原液のまま使うのは禁止)
  • lメントールは清涼感がある香りで歯磨き粉やたばこなどの香料に使用される
  • ハーブティーも人気

ペパーミント精油の効果・効能とは

精油作用:頭脳明晰・刺激・消毒・抗真菌・殺菌・抗ウイルス・鎮痛・解熱・冷却・加温・健胃・鎮痙・収れん・抗炎症・デオドラント

心への作用:ヒステリー・精神的疲労

身体への作用:頭痛・めまい・緊張・偏頭痛・風邪・乗り物酔い・風邪の引き始め・筋肉疲労

肌への作用:にきび・ダニ・皮膚炎

夏に使いたくなるすっきりひんやりとした精油は、共通して胃にも作用します。レモングラスも同じですね。暑くなると食欲はなくなり、胃ももたれてくると思います。そんな時、消化器系へ作用するペパーミントの登場です。

次に作用するのは呼吸器系です。風邪で辛い時は去痰作用があることで知られています。
心理的作用としては環境の変化によるソワソワや疲れ、落ち着きのなさにおすすめです。
ペパーミント成分のメントールは、カビに作用し、メントンよりも高い効果があることが研究でわかっています。

ペパーミントの研究

イギリスの大学生を対象に行われた研究では、ペパーミント精油を吸入して測定したところ、眠気が軽減したことがわかっています。

その他にも、国内において小学生を対象に行われた研究があります。ペパーミントとオレンジ・スイートを計算時に吸入すると、計算ミスが軽減したというものです。
集中したい時、眠気を覚ましたい時に使ってみるといいでしょう。

参考:日本アロマ環境協会 研究

ペパーミントの使い方とは

夏だからこそ楽しめるペパーミントの楽しみ方の例をご紹介します。

ペパーミントジェル

ジェルに混ぜることで、ひんやり冷感を楽しむことができます。アウトドアを楽しみたい時や、暑い時期の虫よけなどに最適です。プラナロム社から出ているジェルに混ぜると簡単にペパーミントジェルができます。是非作ってみてください。

参考:Amazonでジェルをチェックする

ペパーミントスプレー

スッキリとしたい朝は、ルームスプレーとしてカーテンや空間にひと吹き。
防虫作用があるシトロネラやレモングラスのスプレーにブレンドすると、ひんやりと気持ちがいいです。

スプレーの作り方は以下の記事を参考にしてください。
参考:手順3つ!簡単アロマスプレーの作り方|アロマオイル使い方

トリートメントマッサージオイル

運動後の筋肉にオイルで希釈してトリートメントマッサージすると、筋肉痛などにも作用します。サイプレスなどをブレンドすると、むくみ予防に。グレープフルーツをブレンドすると、ダイエットにも向いています。

トリートメントオイルは、キャリアオイルと呼ばれる植物油を使って作ります。とても簡単ですので、精油の楽しみ方として覚えておくといいでしょう。

偏頭痛が辛い時にもほんの少し作ってこめかみをマッサージすると、スッキリとしておすすめです。

アロマトリートメントオイルの作り方は、アロマの使い方の記事で詳しく解説しています。
参考:【プロおすすめ】アロマオイルの使い方9選【簡単で今すぐできる】

キャリアオイルについて詳しくは下の記事にまとめています。参考にしてください。
参考:キャリアオイル(植物油)とは?精油との違いや効能を解説
   キャリアオイルの種類と効能【植物から採れる極上オイル】

ペパーミントの副作用・注意点は?

ペパーミントの使い方

ペパーミントはオレンジなどに比べると、実は注意が必要なハーブ。「外用においては毒性なし」とされていますが、皮膚感作の可能性があります。アレルギーを起こす可能性があるため、使用の際は必ず3%以下に希釈してください。原液のままで肌への使用はどの精油においても禁止です。メントフランという成分が皮膚刺激となるため注意が必要です。
そしてペパーミントは、妊婦や母乳を与えている人も避けてください。

精油の危険性と安全性

とても大事なことなのではっきりと言いますが、アロマを楽しむ時、精油を使う時は絶対に原液のまま肌につけたり、飲用することは禁止です。とても危険です。

日本の法律上も精油は雑貨の分類にあるため禁止されています。

中には飲めるからとても安全だと謳ったり、原液のまま使用できるから高品質だと謳った精油や団体があります。正直、プロからしてみると頭を抱えるほど、とても危険な啓蒙です。

信頼できる相手かどうか、自分で調べることも忘れないようにしましょう。

なぜ飲める精油や原液塗布できる精油が存在するのか

ここでプロしか知らないアロマ業界の懸念されるカラクリをご説明します。
現在精油は日本において「雑貨」扱いです。そのため原液塗布・飲用共に禁止されています。ではなぜそんな商品や団体が存在するのかというと、商品自体を食品添加物として登録する、化粧品としてと登録することで、肌につけれる・飲める商品となるわけです。そのため、飲めるから・肌につけれるから高品質という説明は否定されます。ただの登録の違いであり、登録できるから高品質ではありません。あくまでその分類に位置しているだけの話なのです。

海外の精油使用に合わせて原液塗布を伝えるリスクと日本の現状


もう一つのカラクリとして、食用登録・添加物登録すらされていない雑貨扱いの精油を原液塗布できるというプロもいます。これは海外において原液で使用するケースが非常に多いからです。しかし日本にあるメーカー・契約している海外農家共に、海外のアロマと日本のアロマとでは信頼性も位置づけも異なります。
海外では医療よりの位置にあり、薬局でも処方されるため内容の精査も薬同様とても厳しいです。日本にいて、とても信頼できる農家と契約していたり本物かどうか成分を調べられる機械と情報と知識がある場合は自己責任で原液塗布する場合がありますが、一般消費者・プロ共にそのレベルはなかなか無理です。
日本に出回る精油の裏事情として中身がオーガニックと否オーガニックの別メーカーの精油の中身が調べると実は同じだったケースもあります。
日本ではまだまだ発展途中です。容量・使用方法を守って、信頼できるアロマのプロの情報を得ながら楽しんでいきましょう。

精油の原液塗布による副作用

アロマテラピーのパイオニアであり、プロなら知らない人はいないローバート・ティスランドによると、「原液での皮膚への使用は刺激が強く、希釈した場合であっても、人によっては有害反応が引き起こされる可能性があります」¹と伝えており、原液塗布して15年もたってから、鼻や唇などが腫れて入院するといったケースを報告しています。
使用していると原液が指についてしまったりすることがあります。私も目に飛び散ってものすごく痛い思いをしたことがあります。とても危険ですので、原液が皮膚についた場合は大量の水で10分間洗い流してください。症状が出たり乳幼児が触れてしまった場合はただちに医療機関を受診してください。

精油の飲用への危険性

精油の安全性ガイドによると、子供の誤飲による死亡事故のケースがあります。ロバート・ティスランドも飲用については臓器に影響する可能性があるとしており、他に飲用する薬剤との関係や長期使用へのデータがまだ不十分だと説いています。
私が通っていたニールズヤードでも、肝臓腎臓共に負担がかかり影響があると教えられました。

事故の例から、最近ではチャイルドロックが付けられている精油が増えてきました。容器に経費をかけられる、安全性を懸念しているメーカーほど気を付けています。ここでメーカの見分け方の判断材料にもなります。有名なメーカーでいうと、ニールズヤード、プリマヴェーラはチャイルドロックが付いています。さすが海外ブランドだと思います。

安全性を意識したアロマの使い方

ここまでアロマの危険性について強く説明しました。少し怖くなったかなと思います。しかしここを伝えないことは、隠しているも同然。私は信頼こそがアロマの専門家に必要な部分だと思っています。
お料理と同じで、塩やお醤油も顔に塗りたくったり大量に飲みすぎると危険です。アロマも同じで、容量と使い方さえ守ればとても生活が豊かになるアイテムです。

では、どうやって注意していけばいいのか、何に気をつければいいのかをお伝えいます。
まず信頼できるアロマ専門家から情報を得ることです。危険性をきちんと伝えているプロ、原液塗布や飲用について知識があるプロを身近においてみてください。直接知らなくても、現在ではSNS上のコメントやメッセージでいくらでも質問可能です。私もいつでも質問を受け付けております。

そして使用の際は必ず、その精油は何に気をつければいいのかどんな副作用があるのか調べてください。妊婦さんは使用禁止、持病を持った人は禁止、肌へは使用注意など植物によって危険性の分類が異なります。

どうして危険なのか、それは精油が作用をもつからこそです。植物だから天然だからといって安全ではありません。皆さんも是非注意をしながらアロマを今後さらに楽しんでいただければと思います。

引用
¹ 公益社団法人日本アロマ環境協会機関誌 No.93 44頁 (2019)
参考文献
精油の安全性ガイド フレグランスジャーナル社 (2019)
公益財団法人日本アロマ環境協会機関誌 No.94 (2019)
参考論文
Makkar MK, et al(2018) Evaluation of Mentha arvensis essential oil and its major constituents for fungitoxicity.



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