ローズウッド精油の効能と禁忌【プロ解説】
(この記事は2021年6月27日に更新しています。)
こんにちは。坂上ひろみです。
今日は精油の中でも少し珍しいローズウッドについてお伝えします。正直、ローズウッドについて詳しいとなると、初心者のレベルではなくなります。間違いなくアロマに詳しいといえる領域に達しています。そのためローズウッドについて知ることは、あるラインを超えたなと思います。
とっても芳純な満たされる香り、ローズウッドの魅力にせまりましょう。
✔ローズウッド精油への疑問
- ローズウッドってどんな精油?
- ローズウッド精油の禁忌はある?
- ローズウッドにはどんな効能がある?
- ローズウッドって木部から採るの?
- ローズウッド精油とワシントン条約との関係は?
- どんな時に使うのがおすすめ?
- おすすめのブレンドは?
- ローズウッドの魅力を教えてほしい!
- ローズウッドの情報を覚える方法はある?
これらの疑問にお答えしていきますね。
✔この記事の信頼性
内閣府認定の日本アロマ環境協会。私は、そのAEAJ認定アロマテラピーインストラクターです。アロマブランドFlandreの販売、その他小売販売、YOUTUBEでのアロマ動画配信、アロマライター等の仕事をしています。このアロマサイトAroma in Tokyoの運営者でもあります。
インストラクター以外にもアロマテラピー検定1級、アロマテラピーアドバイザーの資格も持っています。
そんなアロマのプロである私がお伝えします。
目次
ローズウッド精油の基礎プロフィールと特徴
学名:Aniba rosaeodora
科名:クスノキ科
抽出部位:木部
植物種類:高木
主産地:ブラジル、ペルー
精油抽出法:水蒸気蒸留法
香りの特徴:ウッディとフローラルを併せ持つ優しい香り
ローズウッド精油の特徴
- アマゾン原産の常緑樹。40mにもなる高木。
- 木部から抽出
- 名前の由来はローズの香りがすることからローズウッドと呼ばれるようになった。ローズのなる木という意味ではない。
- 家具などの高級資材として使用されている
- 絶滅危惧種となりブラジル政府が取り締まっている貴重な精油
- 自然保護の観点から販売を行っていないメーカーがある
- 香水としては古くから香料に使われてきた。精油としての市場は最近のこと
ハカランダの香水でおすすめはフエギアです。YOUTUBE動画内にでてくるのでチェックしてみてください。
参考:アロマのプロがフエギア店舗へ行ってみた
ワシントン条約
ローズウッドは絶滅危惧種であり、ワシントン条約により2017年から輸出入の規制対象となっていました。ところが、2019年8月にスイスで行われたワシントン条約の会議にて、完成されたローズウッド製品、つまり楽器や小物、彫刻、家具等は輸出入の対象にはならないことが決定しました。この改正は同年11月より効力を発揮しています。
じゃあ精油はどうなったの?というと、ローズウッド自体の規制は変わっていません。特にローズウッドの中でもハカランダという種類は規制は厳しいままです。
つまり、すでに完成している製品は自由に移動可能。しかし新しく伐採するのはこれまで通り規制されるため、鮮度が大切である精油の流通はこれまで通り変わらないでしょう。
詳しくは経済産業省のワシントン条約改正レポートをご覧ください。
※プロからのアドバイス
自然の命を頂いているわたしたち。ニールズヤードは自然保護の観点からローズウッドやサンダルウッドの販売を中止しています。もちろん販売しているメーカーもあります。しかし希少だからとはいえ、購入することは一度立ち止まって考えるべきことかもしれません。頻繁に買わない等、自然に寄り添って考えることは私たちに必要といえます。
サンダルウッドについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
参考:サンダルウッドの効能と香りとは?|精油のプロが禁忌も解説
ローズウッド精油の効果・効能
身体への作用:免疫系強壮、殺菌、消毒、抗ウイルス、抗真菌、鎮痛、去痰、細胞成長促進、抗炎症、デオドラント
精神への作用:抗うつ、高揚、催淫、脳の活性化
- ローズウッド=強壮剤
- 高揚と鎮静の拮抗作用がある(ベルガモットと同じく両方の作用あり)
- 精神的なバランスをもたらせてくれる
- あまりイメージはないが催淫作用があり媚薬としても使用される
- 身体を全体的に強壮させてくれるためトリートメントマッサージにも向いている
- スキンケアにも乾燥肌や炎症を起こしやすい肌へ向いている
- ストレスからくる頭痛・その他ストレスが原因の諸症状向き
アロマテラピーの効能について改めて知りたいという方はこちらの記事を参考にしてください。
参考:【専門家解説】アロマテラピーで使う精油の効能とは
ローズウッド精油の禁忌
ローズウッド精油には禁忌があります。妊娠中及び授乳中の使用は避けましょう。
妊娠中の精油使用については医薬品と同じく、まだ研究が進んでいない状態です。ローズウッドには催淫作用があり、免疫系への強壮等の作用もあるため禁止されていると考えられます。
妊娠中や授乳中以外でも、正しい使い方をすることがトラブルを避けるために重要です。基本的な使い方はこちらの記事を参考にしてください。
参考:【プロおすすめ】アロマオイルの使い方9選|基礎編
注意事項
精油は薬ではありません。ヨーロッパにおいては古くから自然療法・民間療法として使用されており現在でも薬局で販売されていますが、日本においては現在も尚雑貨扱いであり、飲用・直接の塗布など薬事的使用が禁止されています。精油を使用する際は必ず希釈し、体調が悪い場合は必ず病院へ受診してください。アロマの使用は病院へ行く機会を奪ってはならないと強くお伝えします。
ローズウッド精油のおすすめ使い方3選
1、好きな人やパートナーとのデートにアロマスプレー
作用でお伝えした意外と知られていない作用として、催淫作用をもつのがローズウッドの隠された魅力です。催淫作用はジャスミンなどにもあり、媚薬として使われた歴史をもつものです。植物からの作用ゆえ、薬ではありませんし協力な作用をもつわけではありません。しかし香りをしたためた日本人の歴史からもわかる通り(源氏物語に香りを楽しむ記述あり)好きな人と会う時、パートナーとのデートの時などそっと香りをしたためる、という楽しみ方がおすすめです。
アロマスプレーは手作りすることができます。作り方は簡単なため是非作ってみてください。
参考:手順3つ!簡単アロマスプレーの作り方|アロマオイル使い方
YOUTUBEでも作り方を解説しています。参考にしてください。
2、疲れたときのアロマトリートメント
全体的な強壮作用をもつ精油のため、トリートメントで使用するのもおすすめです。アロマトリートの店舗で扱いがない場合、なかなか外出しにくい場合は、ご自宅で十分楽しめます。
背中のトリートメントなどは難しいですが、キャリアオイルで希釈しご自身で腕や足などをマッサージすることでとてもリラックスすることができます。むくみも解消できて一石二鳥ですね。
キャリアオイルって何?アロマトリートメントって?という方はこちらの記事を参考にしてください。
参考:キャリアオイル(植物油)とは?精油との違いや効能を解説
キャリアオイルの種類と効能【植物から採れる極上オイル】
3、バスルームにてアロマディッシュで楽しむ
ストレスからくる頭痛や、疲れて少しゆったりしたい時、今夜から使える方法が入浴時の芳香浴です。バスルームというリラックスできる空間で香りを楽しむことは、入浴によって血行がよくなり疲れがとれることと相まって相乗効果を生むでしょう。
専用のディフーザーや容器はいりません。小皿でかまわないのです。そこにローズウッドを3~5滴たらしてバスルームにおいてください。とても簡単な方法で楽しめるおすすめ方法です。
おしゃれ小皿をアロマ専用にしてみるのも楽しいですよ。
ローズウッドをブレンドするならこの精油!
ローズウッドと相性が良い精油をご紹介します。
ベルガモットやレモン、オレンジやマンダリンなどの柑橘系。
そしてシダーウッド、やサンダルウッドといったウッディとも相性がいいです。
ローズウッドは木とはいえ、香りがフローラルよりなので同じグループのウッディ系との相性も良いのです。
ローズウッドを独自解説!人に例えるとどんな人?
さて、ローズウッドを説明してきましたが覚えやすいように独自に解説するため、人に例えてお伝えしたいと思います。
ローズウッドは、人に例えると看護師さんです。
理由としては、ドクターほどの強壮作用はないものの、きちんと身体を強くする力をもっている、そして隠れた女性性をもっていること、とても優しくケアをしてくれるイメージをもっているためです。しっかりとした木ではあるものの、フローラルの香りをもつというその魅力こそが看護師さんがもつ魅力と共通しています。
覚えていますか?ラベンダーは人に例えると医師。そのそばにいる看護師さんはローズウッドです。人として覚えるととても覚えやすいので是非活用してみてください。